「MR」

理想と現実

内容
”MRとはメディカル・リプレゼンタティブの略で、日本語では
「医療情報担当者」と訳される。”
ライバル企業のMRとの攻防、騙しあい。

感想
「MR」という職業は知らなかった。でも大昔、個人病院に勤めて
いた時にくすりやさん(薬を届けてくれる人)がいたのを
思い出した。多分その人が今でいうMRという職業の人だ。
確かに医師に対しては腰が低かった。その時はただ自社の薬を
買ってほしいが為に腰が低いのだろうと思っていたら、裏では
色々大変なことがあるのだとわかった。
MR試験にも合格しないとMRにはなれないし、薬のことも説明できるぐらい
詳しくないといけない。新薬の開発にも携わることで、その新薬を世に出す
準備もしなくてはならない。想像している以上に大変な仕事だ。
大変な仕事だけれども扱っているその商品は(薬は)人間の生命に直結したり、
苦痛を和らげたり、人には欠かせないもので必ず需要がある。

新薬の開発費や設備などに費やす費用は莫大だからそれだけ薬価にも反映されるが
それ以上に会社が儲けようとするからくりもあることがわかった。
薬は患者ファーストなのか、それとも会社の利益に重きを置くのか。
紀尾中が理想と現実とで悩む姿がよく描写されている。
潔癖な紀尾中だから(よく言えばお坊ちゃま)自分の信念と違うことが
あるとどうしても許せないのだろう。対してライバル企業の鮫島は勝つためなら
どんなことをしてもよいと思っている。
その対比がおもしろい。まるで時代劇を見ているようだ。
鬼平犯科帳や大岡越前などを思い出してしまう。

発達障害MRの話は特に印象に残った。発達障害同士が話していると
健常者のほうがコミュニケーションに難があるように見えるというのは
新鮮な驚きだった。だけど、私もその場にいたら、イラついて
すぐに帰ると思う。

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