「エーゲ 永遠回帰の海」

素晴らしき遺跡

内容
40日間かけてエーゲ海を縦断、横断し、一周して
遺跡を見て歩く。写真と解説文で構成されている。 

感想
写真の美しさに魅了された。行ったことのないところに
見たことのない遺跡だけれど、解説文を読むと写真を見ているだけで
行った気になる。写真を見ただけでは何の遺跡は分からないが
解説文があることで少なくとも、その遺跡にまつわることがわかる。
世界の歴史の知識はほとんどないがこの解説文と写真だけで
何千年という歴史の旅をしたようだ。

”記録された歴史などというものは、記録されなかった現実の総体に
くらべたら、宇宙の総体と比較した針先ほどに微小なものだろう。
宇宙の大部分が虚無の中に吞みこまれてあるように、歴史の大部分も
また虚無の中に呑みこまれてある”
分かっていることだけが歴史ではない。歴史として書かれてない事柄も
事実としてあったなら。そのことを考えただけで何もかもすべて知ろうと
思うことは無理なことだ。それでも人間の知的好奇心はなくならない。
知的好奇心がなくならないのは、人間のさがなのだろうか。
歴史ほどではないにしても本も膨大な量で、読みたい本はまったく減らない。
読んでも読んでも読みたい本が湧き出てくる。これは個人的にはうれしいことなのだ。

”第一章の聖山アトスへ”を読めばますます行きたくなった。
”アスト独特のきまりが沢山ある。入ることが絶対に禁じられているのが
女性。いかなる女性もここに一歩でも足を踏み入れることができない。”
悲しいかな入れないとわかると余計に行きたくなる。日本でも何か所かは
女人禁制のところがある。女人禁制はなぜあるのかと考えた。宗教的な理由が
あるのは知っていた。それとこの本には他にも、修道僧が女性客の肌を見て心を
惑わすことがないようにとの配慮だということがわかった。
結局修道僧も男だから、修行や戒律よりも女性が近くにいたらなびいてしまうのだろうと
納得してしまった。
食事も質素だし、同じ修道院には、二十四時間以上滞在してはいけない。
バスと船があるが本数が少ない。あとは歩くしかない。
次に泊まる修道院には日没前に着かないと、食事なしの野宿するほかない。
楽な旅ではない。それでも行ってみたいという思いがある。

旅の本を見ると旅行に行きたくなる。写真の場所や紹介されているところや
寺社仏閣の歴史を見るとこんなところがあるのだなと知ることもできる。
ただ本やテレビの残念なところは、匂いや雰囲気や気温や言葉が感じられない
ところだ。その場所に行かないと匂いや気温や言葉が感じ取れない。
そこの土地の言葉を聞けると旅に来ているなと実感出来るし、ワクワクもする。実際にその場所に行ってみないと体感できないことが多い。旅行先の方言を聞くと
今住んでいる所の言葉の違いが分かって、こういう方言があるんだなと知ることになる。
旅することは知らないことを知ることになるのだなとあらためて思う。
そして楽しめて、思い出に残る。”またここに旅行に行きたいね”と話のネタにもなる。
だから旅行に何回でも行きたくなるのだ。今の時期には全国旅行支援があるから
行きたいのだが、全国旅行支援の期間内に家族との時間が取れない。
全国旅行支援もっと延長にならないかなと個人的に思っている。延長になれば
もしかして旅行支援を利用できる機会があるかもしれない。

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