「遠野物語 remix」

この手の話は好き

内容
碩学の名文家の柳田国男の遠野物語を京極夏彦が
時に補い時に意訳し感じるまま書き伝えたもの。

感想
遠野物語はまだ未読だ。どんな話かわからないまま
先にこの「遠野物語rimx」を読んだ。
いるかどうかは別にして、妖怪とか幽霊とか神隠しなどの話が好きだ。
たぶんゲゲゲの鬼太郎と妖怪人間ベムの影響が強いのだろう。
ゲゲゲの鬼太郎はいろいろな妖怪が出てきた面白かったし、少しの
怖さもあって良かった。妖怪人間は絵も話も恐ろしかった。
小学校の頃、寝る前に妖怪人間ベムを思い出してしまって
なかなか寝付けず怖かった覚えがある。

”十一”が印象的だった。弥之助の妹の息子孫四郎が嫁を貰ってから
孫四郎の様子が変わってしまった。弥之助の妹と嫁とは反りが合わず、
日に日に仲が悪くなっていった。嫁は家にいて体調が思わしくなく、
床に臥せっていた。昼頃になって突然孫四郎が家に戻り、
”「母は、どうしても生かしておく訳にはいかない。今日こそはきっと殺すからな」”と
言っていたが嫁は当然戯れだろうと思っていた。
この時点で現代なら病院行きだ。(周りが気がつかず、その前から前兆が
あったのかもしれない。)
その後草刈り鎌を出し、研ぎ始めた。弥之助の妹は逃げ出そうとしたが
孫四郎が玄関も裏口も錠を下して、監禁されてしまった。
夜が更けたころ、母親に近づき鎌を振り下ろし斬りつけた。
徒ならぬ様子を察した村人たちは慌て驚き、孫四郎を取り押さえ、警察を
喚びに行き、警察に捕縛された。弥之助の妹は
”「私はこのまま死んでも、恨みに思うようなことはないから。だから、
孫四郎をゆるしてやってくれ」”
結局弥之助の妹は亡くなってしまうのだが、それでも死ぬ前にこんなことを言える
なんて私には考えられない。草刈り鎌で斬りつけられそうになったら、
人間の本能で自分を守るので、何らかの反撃をするのではないか。
それにしても孫四郎は統合失調症だったのか、それとも狐に憑かれたのか。

この本を読んでいると遠野(岩手県)に旅行に行きたくなる。
話の場所に行って、話とともにその場の空気を味わいたい。
いつか行ける日がくるといいな。

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