復讐か倫理か
内容
刑事の春原瑠衣は父親の会社の社員が
人身事故で亡くなることを知る。
感想
久しぶりの中山七里の作品でワクワクした。
読み始めてからすっと読める。
最初はどうなっていくのだろうと思っていたが、
最後のほうにタイトルがここで出てきた。
復讐か倫理かで迷う主人公春原瑠衣の心情がよく表れていた。
会社の不祥事を隠ぺいするために父親を殺された
悔しさは計り知れないだろう。
同じ状況で身内を殺されたのなら誰でも
復讐を選ぶだろう。職業が警察だろうがなんだろうが
倫理観はなくなる。それはどうしようもないことだ。
ハングマンはシリーズ化するのだろうか。
春原瑠衣が一線を超えてしまったら。罪悪感なんてふっとんでしまう。
鳥海と比米倉と三人で罰を与えることを選ぶのか。
テレビドラマの『ザ・ハングマン』と『必殺仕事人』を
思い出した。どちらも悪い奴らに復讐する。
『ザ・ハングマン』は悪い奴らをお仕置きするだけだ。
『必殺仕事人』は悪い奴らを殺害する。どちらかといえば
この小説も報酬と殺害することが似ているので時代は違えど
『必殺仕事人』に近いのだろうか。
全く小説と関係ないのだが『ザ・ハングマン』の名高達郎と
佐藤浩市がかっこよかった。夏樹陽子もきれいだった。
この人たちを観るためにドラマを観てたのは過言ではない。
勧善懲悪でストーリーもおもしろかったが。
あの時代のドラマっておもしろかったな。今はほとんど
日本のドラマを観なくなってしまった。