ハンチバック

欲求か、願望か、妄想か

内容
生と性がままならない重度障害者の思い

感想
重度障害者は性行為はできるのか。読んでいて疑問に
思った。湾曲した背骨でどうやって行為をするのか想像
してみたけれどどうするのかわからない。上には
乗れないのはわかったけど。それにお互いに性行為が出来る
状態になるかもわからない。
でも口でしただけで死にかけたのに、身体を使わないと
いけない行為(たとえ寝たまましても)に
身体が悲鳴を上げるに決まっている。それとも未体験なことを
体験することで死を超越するほどのことなのだろうか。

田中さんはきっと罪悪感でいっぱいだ。あのまま
施設で働き続けても”私”に支配されつづけるだろう。
結局お金につられて最後までせず退職していった。
私でもそうしたと思う。性的なことをさせた(それが”私”の
願いでも)こともそしてそのために”私”が死にかけたことも。
正常な精神ならその場にはいられない。逃げざる負えない状態に
追い込んだのはきっと”私”なのだ。

紙の本を読むのがどれだけ大変かということを
今まで考えたこともなかった。紙を本を読めるのが当たり前で
紙かタブレットの選択で、手触りや匂いが好きだけで
選んでいたけれど、それだけで選べない人もいるのがわかった。
想像もしていなかったことにまだまだ知らないことがあると
猛省した。
紙の本を読みたいという欲求は湾曲した背骨が軋もうが
どんなに身体に負担がかかろうがそれに勝るのだろう。

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