「私家版 精神医学事典」

今でいうブログ?

内容
精神医学、本、映画、著者の好きなことが満載

感想
私家版とはどういう意味か調べてみた。
”個人が営利を目的とせずに発行して,狭い範囲に配布する書籍。私版。自家版。”
ということらしい。すればやっぱり今風でいうならブログに近いので
ないのではないだろうか。
この本を読むと本と映画がいかに好きかわかる。(精神医学は仕事だから)
私もこの本に紹介されていた本を読みたくなり、何冊かは図書館で借りている。
映画も紹介されているものが魅力的に書かれていて、観てみたくなった。

”キラキラネーム”のところで命名研究家の牧野恭仁雄による「子供の名前が危ない」
の中で”キラキラネームを珍奇ネームという呼称を提唱している。”とあって
私もこれからキラキラネームを珍奇ネームと呼ぶことにしようと思った。
変な名前なのにキラキラだとかっこよすぎる。珍奇ネームならいかにもかっこ悪い。
これは偏見かもしれないが、珍奇ネームの子は素行が悪い印象がある。
名は体を表すではないが、やっぱりあんまりおかしな名前はその子自身に
とってもあまりプラスにはならないのではないか。個人的感想だが。

”分類”の中で”正常と狂気との間に明瞭な境界線が引けると精神科医は考えていない。
言動や生活態度があると到底思えないが、そのことでトラブルが起きているわけ
でもないし、仮に治療をしたとしても効果が期待できないケースなんていくらでも
ある。そういった人たちはむしろ環境によって運命が左右されてくる。”
なるほどなと思った。ちょっと変わったぶっ飛んだ人が普通の仕事はできないかも
しれない。でもちょっと変わったぶっ飛んだ人でも自分の特技を活かせば、
賞賛を浴びるかもしれない。やっぱりその人に合った環境にいることは
すごく大事なことだと考えさせられた。自分に合わない環境だと
健全な精神でも不調をきたしてしまう。

”カウンセリング”で中に”重要なのは言語化というプロセスである。(中略)
そしてカウンセリングを受けるということはすなわち孤独からの脱出である。”
アメリカのドラマを見ていると精神的なショックや夫婦の中を修復したいときなどに
よくカウンセリングを受ける。身近にある感じがする。
でも日本では身近にカウンセリングを受けることはあまりないような気がする。
カウンセリングする側の人自体が少ないのか、それともそういう習慣がないだけなのか。
たぶん精神科に行けばそういうことが日常的に行われるのだろうか。

この本には統合失調症のことが結構書かれている。私のイメージでは幻聴や幻覚に見えたり
することや意味不明なことを叫んでいたりする。そして偏見で怖い人、危害を加われそう
に思っていた。でも統合失調症の人の立場になってみると幻聴や幻覚が見えること自体怖いし、現実に見ていたことが不確かなものだとしたら何を信じていいかわからなくなる。そう思うと怖くなる。
”疼痛”の中で”(前略)言い換えれば、統合失調症であることが生存にプラスとなる状況が地球には潜在しているからこそ、そうした場合に備えた保険としてこの病は少ないながらも一定の比率で発症し続けているのだという説がある。”
統合失調症の人は痛みや、孤独に対する耐久が強い。だから一定数存在するというのは
なるほど、そういうところで人間って絶滅しないようにしているのだなと思った。
あくまで仮説だが。

事典というよりは著者の考えが書いてあって面白かった。この著者の書いた本なら
また読みたいと思った。

¥2,164 (2023/01/29 05:40時点 | Amazon調べ)
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました