砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

虐待されてる子は嘘つき?

「ぼくが考えるに、幼児虐待の被害者である子供たちも、
ある種の”ストックホルム症候群”に分類される症状を発症しているんだ。
長い間の軟禁と、虐待生活。加害者は愛するべき、そして
自分を愛しているはずの親だ。どうなる?彼らは虐待されていない
正常な子供よりも激しく、悲しく、親を慕うようになる。
彼らは親を悪く言わない。それどころか自分を責めている場合が
ある。だから発覚しづらいんだ。まちがった脳の作用によって、
彼らはつまらない親たちに激しい愛情を感じている。
そこに悲劇がある。」

友彦が言ったことが一番印象に残った。
唯一接している大人が親だけとしたら、正常だろうが
異常だろうが頼れるの親しかいない。
ある程度の年齢になれば他の人との比較などで自分の家は
正常か異常かわかるようになる。
でも幼少期に親が自分の家が普通だと洗脳されれば
異常でも気が付きにくい。

藻屑も足が不自由になろうが耳が片方聞こえなくなろうが
虐待にあっても父親と一緒にいる。でもきっと
藻屑は精神も肉体も限界にはきてたはず。
山田なぎさも藻屑と同じようなニオイがしたから
嘘をついたりして山田なぎさに自分に注目させたかったのでは。
助けてほしいとかそんなのではない。
ただ一緒にいたいだけのような気がする。

藻屑が亡くなったのはショックなことだし悲しいことだ。
だが山田なぎさには先生も友彦もいてくれる。
高校にもいけるようになって、友彦もひきこもりから脱出した。
最後が救いのある終わり方でよかった。

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました