「掃除婦のための手引き書」

壮絶な人生

内容
ルシア・ベルリン作品集

感想
今気が付いた。ルシア・ベルリンの作品集だということを。
読んでいて、一貫性がないけれどずっと主人公の過去のこと
(子供の時や掃除婦の仕事などや結婚のことや夫のこと)を
書かれているのだと思ってた。けれど、全部飛び飛びで
時系列ではないし、たまに全く関係のない事の話も
でてきて読みにくいし、何処でどう繋がっているいるのか
考えながら読んでいたのに、題名を見たら作品集とは!
もうひとつ読みにくい理由は外国の話だから習慣が違うし
一寸したニュアンスがわからないこともあるのかなと思った。

「あとちょっとだけ」の中で妹のサリーが肺がんが見つかり、
あっちこっちに転移していて、”わたし”を呼び寄せた。”わたし”は
献身的にサリーの娘と一緒に世話をした。
人の生死は国も人種も関係ないのだなと思った。
死が近くなった時、自分が大切な人や会いたい人にそばにいてくれれば、
安らかに逝くことができるのではないだろうか。
自分だったらどうするんだろう。ぽっくり逝ったらいいけど、
ぽっくり逝けないのだったら大切なひとがそばにいてほしいか。
それとも一人孤独に逝きたいだろうか。多分その時じゃないと
わからない。

アル中や離婚再婚、コカインや貧困、性的虐待などがサラッと出てきた。
それが普通であるように。日本だったらアル中やコカインは犯罪で
大事件だし、もう人生終わりと思ってしまうがそれらのことが
”わたし”にとっては普通なのだ。実体験が含まれるのだったら
それだけ壮絶な人生だった。自分だったら耐えられるだろうか。
途中で人生をやめたいと思うだろう。

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