「嫉妬の世界史」

だれもかれも嫉妬する

内容
嫉妬した為にどんな行動をしてしまったのか

感想
私自身もささいな嫉妬は何度もしてしまう。ブログで収益が出たとか
SNSで有名人から返信があったなど、そういう書き込みがあったときは
うらやましいと思う反面、嫉妬している気持ちが出てくる。
ただ嫉妬があったとしても復讐するなどの行動までは起こさない。
でも嫉妬している自分は人間として器が小さいなと感じて、まだまだ大人に
なり切れてないわと思うことがしばしば。もう人生後半にきているのに。
そう思っていた。でもこの本を読んだら世界の名だたる有名人が嫉妬の嵐だ。
嫉妬によって報復するために行動に起こし、暗殺したりして取り返しの
つかないことが起こっている。世界に名を残すにはそれだけ嫉妬心も強く、
報復する力も行動力もあるのだろう。それらのことを実行するには大変な
エネルギーがいる。そう思うと私は嫉妬することはあっても
報復する力、行動する力はない。それだけエネルギーがない。

「第六章 天才の迂闊、秀才の周到」での話が特に印象に残った。
もし東条英機が石原莞爾を予備役に追いやらなかったら、戦略的
構想力は失わなかった。
石原莞爾は”原爆や宇宙ロケットの出現がすでに予見されており、戦争のあり方が一変すると
第二次世界大戦後の世界を展望していた。”このことからも一人の人間が予備役(退官)
をされたことは非常に軍にとっては損失だったのではないか。石原莞爾が独特な
人間的個性や日蓮宗への熱狂的な帰依があったとしても。
東条英機が私的な嫉妬心で石原莞爾を予備役(退官)にしたことに驚いた。秀才だけれど、東条英機もただの人だった。

世界に名を残す人は聖人君主な人ばかりだと思っていた。
だが色々な本を読むと聖人君子なんて人はほとんどいない。皆、嫉妬にまみれ、
欲にまみれ、面の皮が厚い。誰かを蹴落とすことしか考えてない人のほうが
多いのではないのだろう。それぐらいの勢いがないと何事も成し遂げられないと
思っている人が多い。事実、きれいごとばかりでは世界的に有名になれない。

「終章 嫉妬されなかった男」
嫉妬する人たちの中で私の中でひときわ際立ったのが徳川三代将軍家光の庶弟・
保科正之だ。これこそ聖人君子で人からねたまれず、君主には忠誠をつくし
時代に先駆けた善政をしている。こんな誰からもねたまれることがない人が
いるのだろうかと不思議に思った。どういう風に育てたら、聖人君子になるのか。
保科正之のことを詳しく知りたくなった。

ビジネス書や自己啓発書には勝ち負けではなく、お互いに利益があることが良いと
書いてあるが本当にそうだろうか。同じ業界ではやっぱり
弱肉強食になってしまうのではないか。資本主義の世の中ならばなおさらだ。
新聞や広告やSNSを見ているとみんな必死になって仕事をして、なんとか社会で
生き残ろうとしている。資本主義がすべて悪いわけではないが、もう少し、
余裕のある社会になれば、互いに思いやりができる世の中になるのにと思ってしまう。
些細なことでも怒り、自分でもどうしようもないくらい感情の起伏が激しくなる時でも、
誰かが助けてくれる社会であってほしいと願う。

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