なにげなく新聞小説を見たら小川糸が書いているのを知って
読んでみるとツバキ文具店の続きだった。鳩子とミツローさんが
結婚していて何年かたった話だった。ツバキ文具店と新聞小説の
間にまだ話があると思って見つけたのが「キラキラ共和国」だった。
キラキラ共和国を一言で表すなら「涙」だ。
涙なくしては読めない話が多い。
タカヒコ君の話は目が見えないタカヒコ君に鳩子の提案でタカヒコ君自身が
お母さんに手紙を書くのだが思春期の初めの照れとそれでも
お母さんが大好きという気持ちが手紙いっぱいに出ている。
この手紙を読んだらお母さんはたまらなくうれしいだろうなと同時に
感動するだろう。この本を読んだわたしでさえ色々な感情で
気持ちがいっぱいになってしまった。
喪中ハガキの話では喫茶店でコーヒーを飲みながらこの本を読んでいたらこの話が
出てきて、今この話をここで読んでしまったらきっと泣いてしまうかもと思い、
家に帰ってから読んだ。やっぱり家で泣いてしまった。
生後八日で乳幼児突然死症候群で亡くなったので喪中ハガキを代書してほしいという
依頼だ。この話も生後八日しか生きられなかった子もかわいそうだと思うけど
親の気持ちを考えるといたたまれなくなる。せっかく授かったのに八日間しか
一緒に入れないなんて辛すぎる。
富士額さんの話では
「人生の最後に、甘い夢を見せてもらえたら、わたくしは自分の
人生に納得して、これでよかったのだ、間違いなかったのだと、」
私もこの部分のように最後には自分が納得できる終わり方に出来たら
何も言うことはないなと感じた。
ミツローさんが試作で作ったアジフライカレーが頭に残り、夕食は
アジフライにしようと思った。アジフライは手間はかかるがそれだけ
おいしい。自分で魚をおろすと骨が出るがそれで骨せんべいを作ると
すごくおいしい。揚げたてのアジフライと骨せんべいを食べるのを
想像するだけでよだれが出てくる。
鳩子はミツローさんの前妻にミツローさんとの結婚を報告できたのは
よかった。QPちゃんにとっては鳩子は継母だから(継母じゃなくても)
今後色々あるのだなと思った。それぞれに何もない家庭なんてないなんてないじゃ
ないか。次の本でも鳩子自身や周りの話が小川糸色なるのが楽しみだ。