温泉に泊まりたくなった
内容
温泉、鉱泉にまつわる著名人のエピソード
感想
読んでいると温泉に泊まりたくなってきた。
日頃の疲れをゆっくり温泉に入って
上げ膳据え膳で夕食を食べ、読書三昧する。
何て極楽なんだろう。想像しただけで楽しい。
日帰り温泉でも満足できるがやっぱり泊りの
ほうがより満足できる。
『記憶 9800×2』角田光代と『母と』松本英子の
エピソードが印象に残った。二つとも母親と二人で
温泉旅行に行くというものだ。母と娘って女同士だから
難しいところがある。年を取れば何もかも任せっきりで
自分では何もしない。そのくせ口は達者で文句ばかり言う。
そうすると娘はイライラする。どの母と娘でも
そうなるだろうなと思う。私はもう母親がこの世にいないので
母と一緒に旅行に行くことはない。だがもし母が生きていたら
きっとイライラするだろうなと想像はつく。でも一回ぐらいは
母と一緒に旅行に行きたかった。イライラしてもそれはそれで
楽しい思い出になるはず。
”親と子の立場はいつか逆転して、おなじことをなぞる。
(中略)
私が自分にとって幸福だと思うことのなかに、それがある。
役まわりを交代できたこと。”
私は役回りが交代できなかった。自分が子供の時は親に
わがまま言い放題だったが結局母のわがままは聞けなかった。
私が自分のお金で旅行に連れて行けるまで母には生きていてほしかった。