ノラや

猫LOVE

内容
一昨年の初秋、取り壊した低い物置の屋根から
降りてきた野良猫が自然に私の家の猫になった。

感想
この作者と奥さんがそれだけ猫好きなのかがわかる。
奥さんが猫を抱きながら少し節をつけて
「いい子だ、いい子だ、ノラちゃんは」
と歩き回るのは猫好きなら誰しもやっていることだ。
それに自分の猫は他の猫よりも賢いと思うところも
あるあるだ。確かにノラは賢いが私の飼っていた猫も
賢かった。呼ばれたら返事はするし、外に散歩をしたら
きちんと帰ってくる。飼い主バカだと思うが
やっぱり賢い。

ノラがいなくなって作者は毎日泣き暮れていたけれど
その気持ちは痛いほどよくわかる。
今のようにSNSがないので新聞広告に出すほど
ノラが大事なわが子だったのだろう。
新聞広告には手間の金銭的にもかかるのに
それほどノラが大事だった。きっと私もその当時自分の猫が
いなくなったなら同じように新聞広告をだし
手掛かりがあればその都度確認しに行くだろう。

今の時代は猫を飼うなら去勢をしなければノラのように
帰ってこなくなるのもわかっている。マスキングもするし
あまりいいことはない。

家猫にするなら、外にも出さないほうがいいのだけれど
家の猫はよく外で遊んでいた。玉ねぎの干してあるところで
寝転がって日向ぼっこしたり、家の周りを偵察しにいったり
たまに他の野良猫と喧嘩したりしていた。
またそれを眺めているのが私の至福の時間だった。

また猫を飼いたいと思うのと、飼いたくないのとどちらもある。
飼いたくなのは亡くなったときのショックが大きくて
辛すぎた。こんなにショックなことはもう二度と味わいたくない。

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