「山椒大夫・高瀬船」を読んで

以前から森鴎外の高瀬舟が目につき、読まねばと思っていたが
読む機会がなくてずっと後回しにしてきた。
子供の読む本だからすぐに読んでしまうだろうといざ読んでみると
思っていた数十倍難しくて自分の読解力のなさにうんざりしてしまった。

高瀬舟以外にも4つの作品が載っていて「堺事件」「阿部一族」に関しては
切腹や殉死がよく出てくる。命よりしきたりや他の人の圧力や
自分のプライドが大事なのか、今を生きている私には理解できない。
暴力的な争いや戦争などがあったからか、それとも日本の美学なのかわからないが
切腹や殉死がそうしなければいけないようになっているが家族や友人はそれが
当たり前と納得していたのだろうか。生きる道はいろいろあるのに
なぜ自ら死を選んでしまうのだろうと考えてしまう。

「高瀬舟」に関しては内容は知っていたが自分で読んで違う印象や他の発見が
あるかもと思って読んだ。
”たることを知っている”が印象的で私もそういうふうな考え方で日々過ごせたら
理想的だなと思っているが現実には無駄遣いばかりで結局浪費ばかりしてしまう。
いつになったら”たることを知っている”になるのだろうとうんざりしてしまう。
喜助の罪は今の時代では自殺幇助に近いのではないか。弟は医者がきても、
放っておいてもいずれ死ぬのであれば、弟の願い通りにしてあげるのが人の情で
喜助もそれに従っただけではないのか。罪を裁くのであれば庄兵衛と同じように
上のものの判断にまかすほかはないが今の時代だったらどんな罪になるのだろうかと
考えてしまう。それとも罪にはならないのだろうか。

今の年齢になって森鴎外を初めて読んだが読解力がなく、次に作品も読める自信が
ない。でも読んだことのない昔の作品を読むことは読解力も上がるし、知らないことを
学べると思うと良いことだらけで次の作品の読んでみようと思う。

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