「史上最強の哲学入門」

一番説得力があるのは誰か

内容
世界の今昔の哲学者を紹介

感想
昔の人は今の人より一つのことをよく考えている気がする。一つのことを
考えて考えて、答えを出す。今のように科学が発達しているわけでは
ないし、明確な答えが出るわけではない。だからこそ考えつくす。
もう考えるということは出尽くしたのではないのではないかと
思うほどだ。だがわからないことは沢山ある。そのすべての問いを
わかるにはまだまだ考えないといけない。

サルトルの「人間は自由の刑に処せられている」はすごくよくわかる。
「自由とは、何が正しいのかわからないのに『好きにしろ』と
放り出されてしまった不安定な状態のことである」
このことにも納得させられる。だからこそ自分で責任を持たなければいけない。
これは私は常日頃からそう思っている。人任せにしてしまっては
絶対に後悔する。自分で決めて後悔するのは良いが人に決めてもらって
後悔するのは納得がいかない。私は自由があるほうが良いと思うがサルトルの
最後にはこう書かれている。
「だが、何を選ぼうと何が正しい選択なのかなんてわからないのだから、
十年後、二十年後、その選択にゾッとしているかもしれない。」
それでも私は自分で選択したい。

「第二ラウンド 国家の『真理』 僕たちはなんで働かなきゃいけないの?」
この章が一番興味深かった。前々からまさにこの僕たちはなんで働かなきゃ
いけないのか、経済格差があるのはなぜか、貧富の差がなくなるようにするには
どうすればいいのかなどと思っていた。なるべく私でも理解できるような経済の本を
読んだが、結局答えが出ないままだ。それらを国家との関係で表している。
プラトン、アリストテレス、ホッブズ、ルソー、アダム・スミス、マルクスを
紹介している。有名どころばかりだが、どんなことを言っていたのか、詳しくは
知らなかった。だが、改めて必要な事が書かれていると思った。
マルクスの資本論は多分難しすぎて私にはなかなか理解できないだろう。
共産主義が崩壊したのは事実だ。机上の空論ではわからないことがある。
しかし、今の資本主義は完ぺきな経済ではない。マルクスが言うように
資本主義がいつか崩壊する日がくるかもしれない。他に○○主義というのが出てきて
それに移り変わっていくかもしれない。それらは今のようにあくせく働くことをなくし、
貧富の差がなくなるのが理想的な経済になるのか。いつかそのような国が出てくる時が
くるのか。私の生きている間は理想的な経済は見るのは叶わない気がする。
それを踏まえて、「第二ラウンド」の最後に「国家は何をしてくれるのか?」での答えは
「国家は何もしません!」と書いてある。
この「第二ラウンド」の最後にはなるほどと思うことがたくさん書いてあった。

哲学とは難しくて、避けてしまう分野だ。その哲学を入門編とはいえ、
私でも理解できるように分かりやすく書かれている。たぶん他の難解なもの
だったら途中どころか最初で挫折していたと思う。でもこの本を読んで
哲学とはこんな感じのものというのが少しでも分かったような気がした。

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