「その本は」

ヨシタケシンスケと又吉直樹ワールド

内容
本好きな王様はもう年寄りで、ほとんど目が見えなくなっていた。
そこで男二人に世界中をまわって『めずらしい本』について
知っている者を探して、その者からその本について聞き、王様に
その本の話を聞かせてほしいという。そのために二人は
旅立った。

感想
ヨシタケシンスケの本が大好きだ。親の心をくすぐるし、ホロっと泣ける。
子供も親も楽しめる。そのヨシタケシンスケと又吉直樹が書いた本となれば
面白さを期待するハードルは上がる。
でも、又吉直樹が書いた本は読んだことはない。世の中の評価は高いが
自分が読んでいないと良いか悪いかはわからない。

第7夜の”その本は、誰も死なない。”は印象に残った。
小学5年生が主役なのだが、こんなに大人っぽい小学5年生いるのかなと
思った。私の小学5年生なんかもっと漠然としていたし、もっと
幼かった。でもこの話の内容が中学生だったら、恋愛に発展していたし、
複雑になっていた。
最後に岬真一しか交換日記を書いてなかった。竹内春がどうなったのか何も
書いていないから想像するしかない。だがもう一度最初から読み直したら
”その本は、誰も死なない。”と書いてあるから、きっと竹内春は死なず、
どこかに引っ越したのだと思うことが出来た。竹内春が何らかの原因で
死んでしまったらちょっとショックだ。
これを又吉直樹が書いたとしたら、作家として才能がある。
これを読んだら、又吉直樹の他の本も読みたいと思った。
また、積読が増えそうだ。

第12夜の話も良かった。
”私は奇跡的に彼のメッセージを受けとることができた。
そのことはつまり、誰かへの想いを載せたまま「届かなかった」本たちが、
世界には星の数ほどある、ということでもあるのだ。”
まだまだ、たくさん本を読んでねというメッセージだと思う。
きっと自分の気持ちに突き刺さる本が出てきそうだ。

この本は子供にでも読めるし、勧められる。過激な表現はないし、
起伏に富んでいるから、飽きずに読める。ヨシタケシンスケの
イラストも可愛い。子供の年齢にもよるが小学生高学年以上なら
子供のプレゼントによさそうだ。

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