「本を守ろうとする猫の話」

みんな本好き

内容
祖父に育てられた夏木林太郎は、突然祖父が亡くなり
林太郎と小さな古書店が残された。

感想
作者の本を読むのは初めてだ。”猫”がタイトルに入っているので
それで惹かれた。猫が大好きな私には猫が活躍する物語には良いのだが
猫が死ぬとか残酷な描写があるのが苦手なので(大人がそういう描写が
あるのは平気だ。)そういうのがなくて良かった。

”「楽しく、速く、たくさんの読書を。」”
第二の迷宮の学者の言うことはよく理解できる。
沙夜が言っていたように私も読む速度は遅いし、難しい本は苦手だから
読みやすい本を選んでしまう。だからこそ林太郎の祖父が言っていたことが
心に沁みた。
”「愉快な読書もよい。けれども愉快なだけの登山道では、見える景色にも限界がある。
道が険しいからといって、山を非難していてはいけない。一歩一歩喘ぎながら
登っていくこともまたひとつの登山の楽しみだ。」”
どうしても難しい本は避けてしまう。でも難しい本に挑戦して、読了したら
達成感もあるし、知らないことを知るということにも満足できると思う。

”「人を傷つけてはいけない。弱い者いじめはいけないし、困っている人がいれば
手を貸してあげなければいけない。そんなことは当たり前じゃないかと言う人たちが
います。でも本当は当たり前じゃなくなっているんです。当たり前じゃないだけでなく、
”なぜか”と問う人たちさえいるんです。なぜ人を傷つけてはいけないか、
わからない人たちがたくさんいるんです。そういう人たちに説明する簡単じゃ
ありません。理屈じゃないんですから。でも本を読めばわかるんです。理屈で何かを
語るよりずっと大切なこと、人はひとりで生きているわけじゃないってことが、
簡単にわかるんです。」”
”人を思う心”が作者がもっとも言いたかったことだと思う。自分と同じように他の人が
”人を思う心”をわかっているとは限らないし、わかっていても行動に移せないことも
ある。でもできるならば、いつも”人を思う心”を持っていて、それに伴う行動を
とりたいと思う。

作者も本が大好きなんだろうなと思いながら読んでいた。
本に関する問題点を迷宮と称して提起している。本屋さんは採算が取れないから
本屋さんが無くなるのは寂しい。昔は本屋さんに行くとワクワクしたり、
買った本を読むのが楽しみで仕方なかった。それが今では本がインターネットで
読める。便利になったけれど、本屋に行ってワクワクしたりすることが少なくなった。
だが気に入った本はなるべく本屋で紙の本を買うようにしている。
昭和の人間だから紙で読むのが慣れていて、ページをめくるのが
心地いいのだ。

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