「骨灰」

夢か現か

内容
シマオカ株式会社財務企画局IR部の松永光弘は渋谷駅再開発中の
「東棟」の基礎工事現場へ向かう。ツイッターに書かれたことを
書き込みを確認するためだ。そこで隠されているような地下への階段を
見つけた。調査のためにその「東棟」地下への階段を下って行ったのだが。

感想
作者の本は何冊か読んでいる。作者はひとつのジャンルではなく、
いろいろなジャンルの作品があるので多彩な才能だなと思った。
例えば、『破蕾』だ。どういう話かもわからず、図書館で借りたのだが、
読んで驚いた。なんと江戸官能小説だった。
図書館って、暴力的な本や官能小説の本があって、びっくりすることがある。
映像だとR15だとか規制があるのに、本はあるのだろうか?
写真だと駄目だけれど文章だといいのかな?などと思ってしまう。

主人公の松永光弘がわけのわからないものに憑りつかれたようになるのが
恐ろしかった。亡くなったお父さんが見えて、話しかけられているように
思えるとか、自分のしたことに覚えがないとか。
話に入りすぎて、だんだんそうしたことが夢か現か分からないようになって
いく。松永光弘と自分とが同化していくような気になって、
早く憑りつかれているものをお祓いしないと、助けを求めないと思う自分がいた。
緊張したまま読み終えたときにはなんだか松永光弘のようにどっと疲れてしまった。

現実にはこんなことはないだろうと(幽霊やそういう類のもの)は信じてなかったが
もしかしたらそういうものはいるんではないか、お祓いや祟りはなんらかの効力は
あるのではないかと少し思ってしまった。そう思っている時点でこの本に憑りつかれて、
この本に感化されている。改めて本の力はすごい。
でもお祓いや祟りに振り回されて、生活するのは嫌だな。
やっぱり考え方をいつものように戻したほうがよさそうだ。

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