追いかけては、逃げていく
内容
日奈と宮澤との関係。日奈と海斗との関係。海斗と畑中の関係。
宮澤と仁美の関係。それぞれが執着し、、手から砂がこぼれるように
離れていく。
感想
一番執着しているのは仁美だと思う。何がよくて宮澤との結婚に
固執するのか。浮気されても、仁美に気持ちがないのがわかっていても
宮澤から離れられない仁美はどうなんだろう。苦しくないのかと思う。
それとも常に宮澤に復讐することで喜びを感じているのだろうか。
私には理解できない。宮澤はいつまででも中学生のような感じで
私は読んでいて、あまりにも幼いのでうんざりした。
こんな男のどこがいいのか。そんなんだったら一人で生きていけばいいのに
また仁美に頼ってぞっとした。
宮澤と比べると海斗はしっかりしているし、日奈も年齢の割にしっかりしていると
思う。日奈は宮澤を追いかけていくが、仁美ほど宮澤に対して執着がない。
日奈は人間に執着がない。でも、海斗もいい人だから日奈の世話を焼くし、
日奈もそれにずっと甘えていたほうがよかったのに。結局回り道をして
海斗には甘えるのだが。でも海斗も畑中よりは日奈の世話をしていたほうが
幸せなのかもしれない。日奈も互いに支えられるほど、海斗には好きではないけれど
一緒にいて、互いに心地いいのかも。
真弓の子供の裕紀は元旦那と再婚した女と住んでいたが、発達障害がわかって
真弓の母親と暮らすようになった。真弓の母親が忙しくなり時々真弓が預かるように
なった。裕紀の服も靴も小さくなってることやおどおどした表情のことを見ると
真弓の母親に虐待を受けていた可能性が高い。そのことを思うと胸が痛くなった。
同じくらいの年齢の子供と同じことが出来ない。すると同級生やその周りの大人が
人たちすべてではないがいじめたり、からかったりする。特に子供は残酷で自分と
違うと平気でからかう。そしていじめる。たぶんその子供はいじめをしている自覚が
ないままそういうことをいう時ある。複雑な家庭環境も裕紀の自信のなさを
出てくるのもしょうがない。元旦那と再婚した人と裕紀とでどういう生活を
していたのかわからない。でも元旦那と真弓がともに生活していても、施設に
預けられると思う。
真弓の育児を見ていると子供に愛情がない。若いときに子供が産んだだけで
愛情がないとはいいきれない。若いときに子を産んでも、愛情深い人はたくさんいる。
真弓の家庭環境がそうさせたのか、それとも真弓の性格か。
子供を育てていると、どうしようもない辛いときやいらだちがある。でも、真弓の
場合は違う。子供のことなど一切考えてない。愛情もない。そんなことならまだ
施設で育てたほうがいい。子供を育てるのに責任が持てないのであれば、
赤ちゃんポストに連れていけばいい。そういうことを書くとそれこそ無責任と言われそうだが、初めから育てることが出来ないとわかっているならば施設や養子縁組をすればいい。
そのほうがずっと子供にとって幸せで、希望が持てる。
介護の仕事をしている人には、頭が下がる。大変な仕事だけれど、介護をしてくれないと
生活に困る人や介護うつになってしまう人が多くなる。必要な仕事をしている人には
もっと給料を上げてもいいと思う。日本にももっと手厚い福祉をしてほしい。
手厚い福祉を実行するにはそれなりの給料にしないと、人も集まらない。
そういうところに惜しみなくお金は使ってほしい。
