「超傑作選ナンシー関リターンズ」

ナンシー関恐るべし

内容
ナンシー関の消しゴム版画、プレミアム・グッズ、批評などなどを
掲載している。

感想
ナンシー関は凄い人だ。久しぶりにこの名前を聞いて、思わず、
この本は絶対に読まなければ、後悔すると思い読んでみたら最高過ぎた。
最初のページからナンシー関の何とも言えないセンスの冝保愛子のポットやら
小野ヤスシの冷蔵庫やら勝新太郎サイン入り消しゴム版画やら
載っていて、見ていると笑いがこみあげてくる。
消しゴム版画だけでこんなに笑わせてくれる人はなかなかいない。
持って生まれた才能と環境で、こんなに面白いものを作るなんて、
やっぱりナンシー関は天才だ。

本の中で特に森繁久彌と田中邦夫がナンシー関の愛すべき批評の対象としているのが
わかる。「重鎮か、ボケ老人か。スゲェぜ森繁」の中で『日本アカデミー賞授賞式』を
森繁久彌のためだけに年に一度の森繁ウォッチングをする、これは愛がないと
出来ない行為だ。
”森繁は映画界の重鎮だ。森繁を見ていて思ったのだが、「重鎮らしい所作」と
いうのは、ボケ老人の動きと共通する点が多い。「他人を意に介さない」
「自分のペースを崩さない」といった基本となる心持ちもそうだが、
もっと具体的な行動についても「他人の言うことをきかない」「質問されても、
そういちいちは答えない」「でも急に、思ったことを口に出して言う」
「ゆっくりとしか動かない」など、イメージとしての重鎮とボケは見事に重なる。”
そして、他にも「齢80を越してアクティブ&プログレッシブ。森繁To be continued.」
でも森繁久彌のことが載っている。「森繁の進み具合を確認する催しもの」として
『第21回日本アカデミー賞授賞式』』は見ねばならない番組と称している。
どんだけ森繁好きなんだよと突っ込みたい。
それにしてもナンシー関の森繁久彌に対する批評を知っていたら
『日本アカデミー賞授賞式』を私も毎年森繁ウォッチングするのにと少し残念な気持ちだ。

「CM編コスプレまで披露!田中邦衛久々スパークCMに大満足」である意味これも
田中邦衛マニアだ。本当によく観察している。よっぽど好きなのだろう。
”毎年暮れになると、邦衛は「大正漢方胃腸薬」のCMで歌い踊り叫び
スパークしたものである。(中略)邦衛のスパークのカロリーだけはピーク時と
変わらなかったため、年ごとに邦衛が浮いてきてしまうことになる。いや、CMが邦衛を
抱え切れなくなったと言った方がいい。”
これを読むといろいろな意味で田中邦衛スゲェぜと絶対に思う。

この本を読み終わった後、時たま森繁久彌と田中邦衛が顔を覗かせる。
自由すぎる森繁久彌と「たべるまえに飲むぅっ!!」とスパークしている
田中邦衛が出てくる。もうやばい。どれだけナンシー関に感化されてるんだろう私。

この本の話をしたら夫に何がそんなに面白いのかわからないと言われた。
この笑いのセンスがわからないなんて。この面白さきっと分かる人は
いるよね。

ナンシー関がもし今も生きていたら誰を批評しているだろう。森繁久彌と
田中邦衛に匹敵するぐらいの芸能人っているかな。年齢的に西田敏行あたりか。
ナンシー関に聞いてみないとわからないな。

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました