「銀齢の果て」

何もかもぶっ飛び

内容
決まった地区で70歳以上の老人の命を懸けた
シルバーバトルがはじまる。

感想
設定も何もかもぶっ飛んでいる。少子化対策のために
老人相互処刑制度。期限までに生き残りを一人にしなければ、
その地区の対象者全員を処刑する。
おまけに「葬いのボサ・ノバ」なる曲も作られている。
作詞・筒井康隆作曲・山下洋輔もぶっとびだ。
自分は楽譜が読めないのが悔やまれる。一度でいいから誰か
歌っているのを聞きたい。

この小説はありそうでなさそうな話だ。まさに姥捨て山の話にも通じる。
今の日本は遠からずこの小説と同じような道を辿っている。
相互処刑はないとしても、この問題を考えるきっかけにはなるはずだ。

”「その良識の名のもとにこんな状態になったじゃなかったのかね。
あの、間の抜けた介護制度なんてものは、良識による悲劇の最たる
ものだったんじゃないのかな。」
(中略)
「まだ歩ける老人に車椅子を与えて、歩けないようにしてしまう。
自分で炊事ができる老人に飯を作ってやって、自分で炊事ができないように
してしまう。結局は何もできない老人の氾濫だ。一事が万事、ああいう
良識こそがこのバトルの遠因ですよ。老後の金を貯めこんで使おうとしない
老人からも金を取らなければ景気は回復しない、だから一律の税金や利息を
取ろうというも良識だったんですかね。あははは」
老人だから何もかも出来ないと思うのは、間違えだったと思った。
どうしても年を取れば、出来ないことが多くなってくるが、
実際に本当に出来ないのか。出来ないと思ってしなかったら
だんだん本当に出来なくなる。できないことはしょうがないけれど
できることはやったほうが良い。

だんだん自分も老人と言われる年に近づいてきて、どういうスタンスでいれば
いいのか考えるようになった。病気や寝たきりにはなりたくないけれど、
絶対にそうならないとは限らない。だが、病気になっても寝たきりになっても
自分ができることはしようと思った。少しでも自分の身の周りのことは
やらなければいけない。

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