「いつでも母と」

近い母娘
 
内容
母を看取るまでと看取った後

感想
この作者のように(作者は実母だが)義理父や義理母を最後まで
介護できるかなと考えた。たぶん認知症が出てきた時点でも
(俗にいうまだらボケ)無理だと思った。もし介護が必要になれば、
義理の父や義理の母と一緒に暮らすか、義理の父宅に通うようになるだろう。
慣れない介護に四苦八苦しながら言動に怒り、トイレの粗相に怒り、その他もろもろに
怒って一日中怒って毎日疲れて終わるようになる。そういうことが
はっきり想像できる。実際介護をやってみたら、もっと想像を
絶することが起きることもあるかもしれない。それを思うと簡単に
介護するとは言い難い。よほどの覚悟がいる。だから義理父や義理母には
介護が必要になったら施設に入ってもらうことを冗談のように言っている。
どこまで本気でとってくれているかはわからないが。

母親が括約筋が弱ってオシメ代わりにタオルを敷くと書いてあったが
なぜオシメや尿取りパットを使わなかったのか不思議だ。その当時も
紙おむつや尿取りパットはあったと思う。それなのに使わないのは
経済的なことか、母親が嫌がったのか、娘に紙おむつや尿取りパットの
情報がなかったのかはわからない。京都旅行のときでさえタオルでオシメの
代わりにしてたのだから、もし漏れたり汚れたりするという心配はなかったのか。
”母の異変に気付いてから介護認定を申請するまで約十年も掛かった。”
とあるからもしかして娘の情報不足かもしれない。
情報不足はいろいろ損だと思う。市役所で教えてくれる情報を聞いて家族で
選択していけばいいと思う。金銭的な事やサポートしてくれる介護士や
看護師やケアマネジャーがいるにもかかわらず、その情報がなかったら
家族で苦悩しなくてはならない。介護をやったことのない人にとって
わからないことだらけなのだから、プロに聞くのが一番だと思う。

母親のお葬式やお墓のことに膨大な金額が掛かることが書いてあった。
葬儀社やお墓の場所でも色々金額は違ってくるとは思うが、これを読んだ時
もし私が死んでもお葬式はしなくていいと思った。(これはずっと前から
考えていた)今までは海に散骨してもらえばいいと思っていたけれど、
散骨もしなくてもいいかもしれないと思い始めた。
遺体を放置するのはさすがにまずいけど、火葬してもらったら、焼けた骨は
すべて棄ててもらえばいい。できるなら猫のお墓に焼いた骨を少しだけ
撒いてもらえれば本望だ。
死んだ人のためにこんな大金使うなんてどうかしている。生きている人のほうが大事だ。
後に残った生きている人のために使うほうがよっぽど役に立つ。

この本を読んでよかった。自分の最後どうしたいかや、もし自分が認知症に
なった時に、どうすればよいかを考える機会ができた。
家族が認知症になった時にはかかりつけ医や市役所に相談することも必要な
ことも分かってよかった。
夫に自分がもし認知症になった時や亡くなった時にどうするか。そのことについて
自分の考えをきいてもらえてよかった。時間が経てば、自分の考え方は変わるかもしれない。それでも今の自分の考えを夫に伝えられてよかった。

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