「カルトの子 心を盗まれた家族」

当事者でなくてよかった

内容
親が入信したオウム真理教、エホバの証人、統一教会、ヤマギシ会の
子供にスポットをあてたノンフィクション

感想
三重県の津市の高速を通るとヤマギシの農場が見える。ヤマギシといえば
集団で農場をしていると自然食品と胡散臭い集団のイメージがある。
ヤマギシをどこで知ったかは覚えてないが(たぶんヤマギシが学校設立する
ニュースで知ったのかもしれない)集団で農業をして、外部との接触が
禁止されていると聞いたことがある。それで閉鎖的で宗教的なところだと思っていた。
ヤマギシ会についてそれぐらいの知識しかなかったが、この本を読んで
親と子は洗脳されて(我執のない人間になるためにとあるが我執がなくなったら
単純にみんなと仲良くできると思っているのか?)子供は親と引き離され、
世話係に虐待をされて(読んでいてもつらかった)自分の思うように進学もされてもらえず
ヤマギシを出ればどこでも働けると言われたが、世間に出ればわからないことだらけで
かわいそうになった。
エホバの証人も子供の虐待はひどい。公然と身体的虐待が容認されて子供はどんなに
辛かったのだろうと思う。折檻死事件も起きていても、反省の色がないのは
宗教だからといいわけするのではなく身体的虐待がいけないとわかるべきだろう。
他の宗教も子供に関わるが勧誘の道具だったり、逆に放置や他の世話係に親が自分の子供を
預けっぱなしにしたり子供を育てる環境はどれも最低だ。そういう子供たちは共通して
精神的に不安定になったり、同年代の子供たちに比べて体が小さかったり(小さいどころではない子もいる)する。
親が何のために宗教に入るのかはそれぞれだと思うが子供やみんなが幸せになるために
入るのだったら、宗教に頼る行為は間違っている。

宗教に入る親たちは自分の責任だが、二世の子供たちには責任がない。
二世の子供たちが自分で将来を選択できるようにするにはどうすればいいのだろう。
ヤマギシ会の事例をみていても、親権は親にあるのだからと子供が脱走して祖父母や
叔父、叔母その他親類に助けを求めてもすぐにはヤマギシ会を抜け出せない。
子供には判断能力がないと思われているのだろうか。小学生高学年や中学生に
なれば、自分の意志があり、判断能力もある。それらのことを信用することは
できないのだろうか。宗教の中にいる子供たちもそれ以外の子供たちも
自分から助けてと言えて、それを助けてくれる世の中になってほしい。

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