「統合失調症の一族」

この家族に関しては環境だと思う。
 
内容
ギャルヴィン家の息子たちが統合失調症になり、
その物語を辿っていく。

感想
ギャルヴィン家の息子たち10人のうち6人が統合失調症になった。
だがこの本を読んでいるとよく、他の兄弟姉妹もなんらかの
精神疾患によくならなかったなと思った。
12人も子供を作り、幼い兄弟姉妹ほど、ほぼネグレクトに近かった
のではないか。兄弟による暴力に、一人になる部屋もない。
母親に相談しても親身になってもくれないし、子供にも関心をしめさない。
兄からの性虐待があるのにもかかわらず、兄夫婦の妹を行かせる。
年上の兄弟から薬物を与えられる。他の兄弟も薬物をやっている。
おまけにアルコール依存症の兄弟もいる。
こんなことをしていれば、誰でも精神疾患を患ってしまう。
あまりにも悲惨すぎて、遺伝か環境かではない。
遺伝も少しはあるだろうが、この家族の場合は8割は環境ではないだろうか。

リンジーのように良いセラピストに会えば、良い方向に向かっていくのが
よかった。リンジーも性被害にあったり、薬物をやっていたが
それでも人生を立て直すことができて良かった。おまけに統合失調症の
兄弟たちに手を尽くしている。そこまではなかなかできない。
やっぱり良い出会いがあれば、これだけ人生が変わるのか。

統合失調症の遺伝の可能性は少なからずあるとは思うが、それでも
この家族の中でも統合失調症に罹ってない兄弟姉妹はいるのは
遺伝だけではないということだ。
やはり環境面のほうが大きいと思う。厳しい環境下でいると
(例えば戦争やいつも怒れらればかりやいじめなど)どんな人でも
精神的に参ってしまう。そのことがきっかけで統合失調症になってしまうことも
あるのではないだろうか。勉強不足で断言はできないが。

統合失調症になっても苦しくなく、ゆっくり生活できるような
そういう薬が出来ればいいと思う。本の中にでてくる薬は
あまりにもつらそうだった。

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